ラッキーアイテムはオオカミさん NG集4

-12-

 「あ、あの…?」

 はっとして大上は純花を見た。彼はまじまじと純花を見つめると、瞳を揺らしてぱっと手を放した。

「あ、いや、その」

珍しく目を泳がせた大上は、暫く口ごもっていたものの、あーもう、と唸って頭をかき回した。

「恋!」

……。ええと、確かに、そういう流れではあるけどね?ちょおっとそれは急すぎないかな?純花ちゃん、固まっちゃったお?



-13-

「どうしてそう思う?」

「だって、君の性格上、純花に用があったらそのまま突撃してるでしょ?だってすぐそこに家があるんだもん」

サラリとそう言って狩野はちらりと純花の家を見る。表情を変えずにこちらを見てくる大上に、肩を竦める。

「ほら、動揺しない。それってそこが純花の家って知ってたって事でしょ?それにさぁ、ここって純花の家から視えそうで見えない位置だし…。問題はどうやってここを知ったかって事だけど…」

狩野はにっこり笑って、大上の肩に手を置く。

「一緒に来て貰おうか?ストーカー君?」

カ――――――ット!!!まって、その感想おかしい。それ言わないで。

「だって、知ってたんだよ?」

いやいやいや。誰かに聞いたとか、純花ちゃん自身に教えてもらったとか…

「コソコソ嗅ぎまわってる時点でストーカー決定だ!!だって純花は可愛いんだ!!ストーカーが出来ない方がおかしい!!」

ガッツポーズしながらいう事か?大上が頭抱えてんぞ?それに、純花ちゃん自身に教えてもらった可能性、まるっとスルー。

「純花がそんな事するはずない!!こんな男に!!」

あー、もう勝手に言ってろ。



-14-(-13-take2)

「やあ、もう二度と会いたくないって思ってたのにまた会うとはね。純花に用かい?それとも…この状況は、俺に、かな?」

そう言って狩野は、からりと笑った。その余裕な顔に大上の顔が不機嫌そうに歪む。

「どうしてそう思う?」

「だって、君の性格上、純花に用があったらそのまま突撃してるでしょ?だってすぐそこに家があるんだもん」

サラリとそう言って狩野はちらりと純花の家を見る。表情を変えずにこちらを見てくる大上に、肩を竦める。

「ほら、動揺しない。それってそこが純花の家って知ってたって事でしょ?それにさぁ、ここって純花の家から視えそうで見えない位置だし…。問題はどうやってここを知ったかって事だけど…」

狩野はにっこりと笑って大上の肩に手を置く。

「まぁ、どうでもいいや。そんな事より大事な事あるからね」

「大事な事…?」

胡乱気に聞く大上。若干嫌な予感がする。

「うん。とりあえず、社会的に抹消しなきゃね?ハッキングとか俺得意なんだ。だから、まずは市役所とかのネットワークに忍び込んで…」

カ――――――ット!!!!何言っちゃってんの⁈まって落ち着いてぇ!!!

「え?まだ序の口だよ?いっそ死にたいってくらい…」

カ――――――ット!!!カ――――――ット!!! 放送禁止!!!!!おまわりさーん!!!ここに危険な子います!!!


……今回はとにかくお兄さんが暴走してます。はい。

色んな意味でごめんなさい。

でも、でもですね?これを頭の中で勝手に言い始めるんですよ?私も力が思い切り抜けました…。私のせいではありません。(←これ大事)

ツキナギ発狂日誌

法政大学多摩キャンパスに通う凸凹だけど中身はよく似たツキとナギが綴る日々の(発狂)日誌。

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