ラッキーアイテムはオオカミさん NG集5

-15-

 数日後、純花は講義を受けようと、講堂に入った。席を探してきょろきょろしながら前の方へと歩いていく。その途中、くいっと服の裾を引かれて視線を落とすと、そのまま顎を落とした。ぽかんと口を開けたままフリーズした彼女にその元凶は、してやったりと笑みを浮かべた。

 「な、な、な、な、な、な」

 わななく指をむけ、純花は絶叫する。

「なして居るんですかぁ⁈」

その指の先で大上はニヤリと笑った。

 ……おっと失礼。同じ純花ちゃんでも、この子はツキさんとこの純花ちゃんですね。うん。



-16-

「よく叫ぶな、お前」

「誰のせいだと思ってるんですか!!」

涙目になって小声で叫ぶという、器用な事をさらりとやってのける純花。しれっとした顔で大上は言う。

「さあ。俺は何もしてねぇけど?」

「な、う、あ」

口をパクパクさせる。意味をなさない言葉しか出てこない。ひっひっふー、と深呼吸した純花。

……ん?深呼吸ってすーはー、じゃなかったっけ?



-17-

一瞬でその答えに辿り着き、即座にその通りにする純花。因みに、この答えは大上に初遭遇した後、純花が質問したことに、狩野が笑顔で答えたものである。大人しく待っててくれれば必ず助けに行くからね!という言葉つきでもある。

その結果。

純花はどこぞの倉庫らしき場所に連れ込まれていた。

 今までの事を反芻していた純花はふと首を傾げた。そう言えば、どうやって純花の居場所を特定するのだろう?

……はっ!!ついにお兄ちゃんが超能力者に⁈

カ――――――ット!!!!! だから超能力者説から離れて純花ちゃん!!!!!


お読み頂き、心より感謝申し上げます。ツキナギの後の方ナギで御座います。

次回とその次の回は二部構成、愛すべき馬鹿の話となります。どうぞお楽しみに。

それではまたお会いしましょう!

※更新はいつになるか分かりません(乾いた笑い)

ツキナギ発狂日誌

法政大学多摩キャンパスに通う凸凹だけど中身はよく似たツキとナギが綴る日々の(発狂)日誌。

0コメント

  • 1000 / 1000